ACPについて
- 所長のひとりごと
ACPについて、サン=テグジュペリ著の人間の大地 をヒントに考えてみました。
「たしかに飛行機は一つの機械にすぎない。だが、これはまた何と強力な分析の道具だろう。僕らが地球の本当の顔を発見することができたのはこの道具のおかげだ。僕らは何世紀もの間、地上の道に騙されつづけてきた。民衆が自分の統治に満足しているかどうか知ろうとして人々の暮らしぶりを見てまわった女王がいたというが、長いあいだ僕らはその女王と同じだった。女王の目を欺くために、廷臣たちは彼女の進む道に沿って巧みな舞台装置を並べさせ、金で雇った役者を踊らせた。道というこの細い導きの糸から一歩も外に踏み出すことのなかった女王は、王国の実際のありさまを何も目にしなかった。大海原のように広がる農村で腹を空かし、彼女を呪いながら死んでいく者がいることを、彼女が知るはずもなかった。」
—『人間の大地 (光文社古典新訳文庫)』サン=テグジュペリ著、渋谷豊訳