Reading List 202408
- 所長のひとりごと
往診屋 Reading List 2024年8月
2024年3月、「往診屋」という書籍を出版しました。
多数の方から感想をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
最近困っているのは時間不足です。本を読む時間も本について語る時間も劇的に減ってしまったのが悩みです。
そんな私の今の状況にぴったり符合する本が、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(三宅香帆著、集英社新書、2024)です。
映画「花束みたいな恋をした」を取り上げた導入も非常に分かりやすい。そして、本のタイトル「なぜ働いていると本が読めなくなるか?」について、ノイズの排除という観点でまとめているのも説得力があります。明治からの読書の歴史と働き方の歴史を絡めていくのも面白い。
私個人的には、この本を読むことが働いていて本が読めない時のストレス発散にもってこい、だったというのがやや皮肉ですが。
次に挙げたいのが、「わが投資術」(清原達郎著、講談社、2024)。伝説の投資家 清原さんの生き様と投資の考え方が書かれています。
清原さんは、自分の仕事をそのまま他の人に引き継ぐことはできない、でも仕事の考え方はどうしても残したいという思いから著作に臨まれたそうです。私も「往診屋」をやっていますが、この仕事そのまま引き継いでくれるような人は現れないと思っています。ただ、私しか語れないような技術や考え方は持っているつもりです。それを伝える義務はあるのかなと考えています。
投資の話は私には難し過ぎて、半分も理解できませんでした。しかし、株式というものの考え方に触れたのは良かったですし、小規模なところにこそチャンスがあるという話は、私のように零細企業で他にはあまりないような方針で診療所を運営している者にとっては参考になること大でした。
お金を増やすために情報を得ようというのでなく、お金というもの仕組みと投資家の考え方を知る観点で読みました。