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暗黙知 在宅現場での武器

  • 所長のひとりごと

在宅医療の現場では暗黙知が非常に役に立つことがあります。
しかし、暗黙知には弱点もあります。形式知と使い分けが必要ですし、かつ併存させなければなりません。

暗黙知ということを考えたいと思います。
暗黙知、この概念の提唱者であるハンガリー出身の学者、マイケル・ポランニーによれば、「他者の顔や表情を見分ける方法」など、言葉や図式で簡単に表現できない暗黙的な知識のこと、です。
ものづくりにおける職人の技、熟練の技術と呼ばれるものの多くは「暗黙知」である場合が多いです。コツとか勘のようなものです。
また、ビジネスの世界だと「営業担当者の話術」、「デザイナーのセンス」といった知識も「暗黙知」に該当します。

在宅医療の現場であれば、言葉や図で表さずに伝える共通の知識・技術ということかと理解しています。
在宅医療の現場ではこの暗黙知が非常に役に立つことがあります。
患者さんやその家族が目の前でいる時、急いでいる時、どうしても言葉で表せない内容があります。
暗黙の了解でチームの間に次にやらなければならないことが伝わっていくというのは大きな武器です。
一方で、弱点もあります。伝えたと思っていたのに伝わらなかった、間違って伝わっていた。
人によって伝わる場合と伝わらない場合がある。
というのが大きな弱点であり、ミスやチームの不協和を招くことがあります。

この対義語が「形式知」です。一番わかり易いのがマニュアルです。やはり両方が現場では必要だと思います。

そして、大事なことの1つは、暗黙知はできるだけ形式知に変えることを意識することだと考えます。
なるべく多くの人に見て分かるようにする、マニュアル化したり可視化できるよう常に意識することが、仕事の中では重要です。
また暗黙知には限界があること、同時に形式知にも限界があることを了解しておくことも大事だと考えます。
これは言わなくても分かって欲しいけど後でちゃんと文章にもしておいた方がいいかな、
またマニュアルを作っているけどそれを参照するばかりでなく、これは自分の体で覚えておかないといけないな、
ということを意識していきたいです。

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