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カンボジアの医療支援に行ってきて

  • 所長のひとりごと

 1月後半にカンボジア国のバッタンバン州というところに行き、現地医療者に対する初期救急医療対応のトレーニングを行ってきました。その時の所感について述べさせていただきます。

 今回、本業の在宅医療の仕事も増えており、また能登半島地震の支援も必要とされる中ではありましたが、渡部の属しているNPO法人TICOがJICA(国際協力機構)より委託を受けている事業(草の根技術協力事業)を行っており、以前より予定が決まっていました。2泊5日(2泊は飛行機内泊)という強行日程で渡航しました。
 カンボジア国への支援は、渡部は2008年から関わっており、現地でのトレーニング、日本へ招聘してのトレーニングを続けてきました。コロナ禍のため、現地カンボジアにはなかなか行けずにいましたが、今回5年ぶりに21回目の渡航となりました。

 まず、今回5年ぶりにカンボジアに行って改めて驚いたのは、その発展ぶりです。

 これは渡航前から予想はついていたことではありました。昨年11月にカンボジアから7名の医療者を日本に招聘して、救急医療の現場の見学と模擬診療でのトレーニングを行ってたのですが、その時の彼らの持ち物、着ている物をみると、ずいぶんきらびやかでした。最新のスマートフォン、高級な時計、上質な衣服。持っているもの、着ているものでいうと、講師をしている私の方がさっぱりしません。

 現地に行ってますますその感を強くしました。今回は、シュエムリアップ・アンコール国際空港という新しくできた空港に着いたのですが、随分きれいに整備されている印象でした。

 宿泊先のホテルもきれいでしたし、高齢白人がゆっくりと休暇を楽しんでいる様子が分かりました。

 研修会場も専用の研修施設があり、プレゼンテーション機器も整備されています。

 病院も見せてもらいました。5年ぶりに行くと、AED,エコー、心電図、モニター、それに人工呼吸器等の医療機器が随分増えていました。日本のODAもありますが、コロナ禍にあって中国からも相当支援があったと聞きました。

 今回、行ってみてアジアは変わったなと感じます。カンボジアは急激に発展してきていますし、中国資本はどんどん入っている。それに比べると、日本は以前とあまり変わっていないように見えます。

 医療支援の分野ももちろん経済の影響は大きいです。経済が進展すれば、いろんな新しい医療機器を買うことができます。今回は、私たちに対して、「あの機械が欲しい」などという要望がほとんどありませんでした。これまではトレーニングに行くと質問の度に、日本から何か新しい機械が供与して欲しいと要望されてきましたが、今回はそういったことがありませんでした。
 そのことは今の日本の立ち位置を示していると思います。

 経済状況が違うと、医療支援のあり方も当然変わってきます。医療支援の分野も新たなステージに入る時期だと痛感しました。

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